20歳の時代──ダルビッシュ 有
《プロ野球ai》No.328 20歳の時代 ダルビッシュ 有 取材 保坂淑子
*如果抓到錯字請指正。
勝てない、投けられない苦しみも経験して、
今、投げているのが本当に楽しい!
何よりも自信に満ちている。明るい笑顏、言葉の1つ1つ。
今年、開幕から先発ローテーション入りし、前半戦15試合を投げて5勝5敗。
その中には約3週間、勝ち星に恵まれずにあがいたときもあった。
右肩痛と戦ったときもあった。ほんの約4ヵ月で、
ダルビッシュはたくさんのことを経験して、そして、大きく成長している。
不注意から起こして
しまったケガ。
自分自身に
腹が立ちました
──練習から明るくてとてもリラックスしている!調子がよさそうだね。
「そうですね。いい意味で自分のペースで野球ができていると思いますよ」
──右肩痛はもう大丈夫?
「完璧に治ってはいませんが、自分のフォームをしっかりして、
痛みを和らげながら投げられていると思います。
6月13日ヤクルト戦のときに気がついたんですが、
テイクバックが大きかったので、それを小さくして投げたらいいんですよ。
コントロールもよくなりました」
──これまでは大きくダイナミックなフォームが印象的だったけど。
「テイクバックが大きかったら、スピードは出ると思いますが、
肩への負担が大きいんです」
──実際どんな場面で変化を感じた?
「コントロールがよくなっているので、ポンポン追い込んで、
リズムよく投げられるんです。球数も少なく投げられていると思います」
──球数は監督からも評価されていたね。意識して投げている?
「試合前は意識して少なくしようと思っているんですけど、
いざ投げるとそうでもなくて (笑) 。
でもコントロールを意識してやっていれば打ってくれる。
結果的に球数が減っていますね」
──前半戦は、6月6日の阪神戦が印象的ですね(3対0。2安打完封、12奪三振)。
「プロに入っ一て番球も走っていたし、コントロールも良がった。
変化球も全部よかったですね!」
──高速スライダーもよかった!
「よかったっすね~あの試合は (ニコニコ)!」
──7回まで無安打!ノーヒットノーランができるかも、なんて意識した?
「もしかしたらあるかもな~って思っていましたけど (笑)。
でも、まぁそれはどうでもいいかなって、気持ちを切り替えましたな」
──3月30日今季初先発の千葉ロッテ戦は3回降板。
でも、5月、6月の阪神戦がらは立ち上がりがよくなりましたね?
「そうなんですよ!体調がよくなってきているのと、
暑いほうが投げやすいんだと思うんです。寒いよりも。
三者凡退っていうインニグがすごく多くなっていますしね。
実は、5月24日の東京ドームの巨人戦から感覚をつかんだんです。
打たれて3点を取られたんですが、
その次のインニグから打たれてもいいからテンポよくポンポン
投げたろーって思ったんです。それやったら、次に抑えられに。
よし、そのままいこうと。結局、うまく結果が出ましたね」
──それが5月30日の巨人戦での完投勝利につながったんだね。
魔球もチャレンジしたしね!
「うわ!全然ダメでしたね~ (笑)。チェンジアップなんですけど、
球が高めに浮いちゃうんですよね。あのときは投げ初めだったし、
今はだいぶ感覚がつかめてきたので、投げられると思いますけど。
今はほとんどスライダーとカープだけで抑えているんですよ」
──その前の巨人戦で負けているから、今度こそ、という気持ちはあった?
「前の試合で內海さんに完投負けさせられているので、
今度は絕対に自分が完投勝ちしてやろーって思ってましたね (笑)!」
今年一番影響を
受けた人。リーのためにも
頑張りたい。
──何だか、本当に楽しんで投げているみたいだね。
「うーん。でも、勝てない時や、
チームの調子が悪かったときは真剣にヤバかったですよ」
──4月6日から勝てない時期が続きましたね。辛かった?
「5月18日、甲子園だの阪神戦で久しぶりに勝ったんですね。あの時は、
勝てないし、いい球も投げられない。
ホンマにどうしようかなぁって思っていましたからね。
それに、勝てない自分が、1軍に帶同していていいんだろうか、と。
今、自分のぺースで勝っていられるのは、
あのときの苦しさがあったから頑張れると思うんですよ。
僕の野球人生の中で一番辛かったですね。
だから今がとても充実していますよ」
──1軍にいると逃げ道がないものね。
「あの時は精神的にヤバかったですね、何をするにも、元気も出ないし、
トーレニングにも気持ちが入りませんでした」
──さて、そんな苦しい時期を経験する中で、
5月18日に2勝目をあげられたきっかけは何だった?
「あの試合は、初回から赤星さん、
藤本さんに死球と四球を出してしまったんでしが、
その後は相手が打ち損じてくれて助かりましたね」
──自分のぺースを少しずつつかんでいったんだ。
「そうですね」
──その後に、今度は右肩痛。また精神的に辛かった?
「そうですね。6月13日のヤクルトの時からですね。
ケガは気持ちを切り替えるしかないですからね。
いい時の感覚が手に残っていたので、
ランニングを中心に焦らずにトレーニングしましたね」
──そんな苦しい時期がありながらも、前半戦は5勝。チームでは金村選手、
八木選手とともに、チームの好調を支える1人でしたね。
「前半戦では、僕にとって一番影響を受けたのは、リー(コリー・リー投手)
だったんです。彼がケガで離脫したのはショックでした。
自分はリーから学ぶことも多かったし。リーも今、辛いだろうから、
その分、勝ちたいと思うんです」
──どんなところを学んだの?
「自分の体の状態もよくわかっていて、何事にも一生懸命。トレーニングも、
いつも1人で默々とやっているんですよ。30歳を超えていて、
メジャーの経験もない中で、ここまで地道にやってきたその姿は、
勉強になりましたね」
新庄さんの髪型、
服装チェックで、
随分変わった!?
──他にも目がいくようになったのは、気持ちに余裕がある証拠。
試合では、ピンチも楽しんでいるように見えるけど?
「そうですね。楽しいですよ。
自分で思っていることがピンチにも生きているからいいと思うんです」
──ここでどう打ち取ろうとか、そういうところまで気持ちが回っているよね。
「そうですね。7月7日の西武戦、1アウト一、三塁でバッター、カプレラ。
2対1で一打同点か逆転の場面で、外のスライダーのサインだったんですが、
バッターを見たら明らかに待っている。
首を振ってインコースのシュートを投げたらサードゴロ!
気持ちよかったですね」
──去年の経験が生きているとこうころってある?
「今三者凡退が多して、去年は少なかったんですね。
なんでかな~って考えたら、去年は球が甘かったし、
フォームの開きも早かった。チイクバックも大きいから、
後ろで球が見えていたんですよね。それに気がついて、
今、こうやっていいフォームを見つけて投げられている。
それは去年の失敗があったからなんですよね。
こうやって1つ1つ気がついていって改善してよくなっていく。
その時は苦しいけど、結果が出たときはうれしい!
そんな毎日が充実していると思います」
──去年のはじめはよく2軍で走らされてたけど、
今年、完投している姿を見ると、それもプラスになっているんだね。
「いやいや (笑)!自分、前から完投する力ありましたよ~(笑)!
力配分せずに全力で行っても完投できるんです。
もともと投げているのが好きだから。好きなことって疲れないんでしょう。
決してバテることはないですからね」
──今年、シ-ズンが始まったころと比べても違う?
「キャンプで右肩を痛めて、調整不足のまま開幕したので、
最初は体のキレもなかったんですけど、今は体のキレもあるし、
フォームも全然違う。何より、今が一番自信があります!」
──チームも、球団タイ記録の11連勝。生で感じる強さってある?
「1点が入るたびに盛り上がって、いい雰囲気を感じますよ」
──やっぱり、勝つっていい!
「そうですね。今は勝ちたいのと同時に、優勝してい!
今年は新庄さんが最後のシーズン。優勝して終わりたいな~って思います」
──よく声をかけてもらっているの?
「はい!前髪がアカンとか (笑)。ストレートパーマをかけたらアカンとか。
服装がどうとかね (笑)」
──最後に後半戦の目標をどうぞ!
「優勝できるように少しでもチームに貢献したいですね。
あとは、八木さんに負けないよう頑張ります! (笑) 」
-完-
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